3/21のチェチーリア・バルトリさんリサイタルでの出来事(続き)。
生では初めて聴くので厳密にはなんとも言えないが風邪で喉を痛めている様子。割れがちな声を慎重にコントロールして響かせているのでこちらも緊張感が抜けず楽しめない。元来は声の豊かな艶、ロッシーニのヒロインに相応しいテクニックだけでなく声量も相当おありらしいが、音響の良さにも関わらずやはりスケールが感じられない。ミョンフンさんのピアノは楽しみながら弾いている様子で少なくとも彼のファンの方々は楽しめた模様。
休憩が終わり後半が始まる直前に係員に案内されてきた中年の男性が会場全体を恐怖に陥れた。通路でいきなり「(この列に)入って(座って)いいのか?」と大きな声を発した。着席した後は「ワンコーラス」毎(1曲毎ですらない!)にたった一人で拍手する事2回、流石に近い席の方に注意された様でその後は止めたが、何かかさこそいう音を立て続け、終いには周囲と口論になり、係員にも何か注意されるとプログラムの途中で退席していった。その際「(ホールの外で)待ってるからな!」と捨て台詞まで残していったのだ。その係員が別のドアからでも外に出て何かケアするのかと思ったが私の見える範囲ではそんな様子がなかったので、外に出てからもまた中に入って何かしでかすのではと気が気ではなくしばらく演奏にも集中できなかった。夫によると終わるまで実際に外で待ち伏せしていたそうだ。クラシックのリサイタルには何度も出かけているがこんな体験は初めて。しかもサントリーホールで態度の悪い聴衆に会う事は稀だと思っていたのだが、もうあてにはならないらしい。