「田嶋塾」の2回目。金銭に換算すると膨大なものになる家事労働をこなしてなお、主婦が自己卑下する必要はない等、具体的な数字をあげての講義。声高に男社会を糾弾する類のものではなく少しずつでも現状を良くしようと女性の奮起を促している。前回の緊張がほぐれたのか時間中に受講生と講師のやりとりも出てきて、単なるファンの集いのようではなくなった。前回参加者の紹介で増えた出席者も。講義の後で受講生同士で感想を述べ合う。今日も「仕事に女の武器を使えと命令されて辞めたが証拠がないので表沙汰にできない」というヘビーな体験談が。正論であろうと余りにも「世間の常識」とかけ離れた事を基本的な認識として頭の中にたっぷり入れては「普通の社会生活」が営めなくなると発言した方もいる。同感。考え方を共有し合える女ばかりで集まっても社会は変わらない。
さいたま芸術劇場は今夜はスタンディングオベーションとなった。今度はオペラグラスを持っていったので藤原さんの狂気の表情や滝のような汗やら「官能的な高揚」を示唆する仕草も見える。声はやはり少し荒れてきていて残念。ローエングリンからの音楽のクライマックスに演技のピークをぴたりと持ってくる、今更ながらやはり役者さんというのは凄い。「卒塔婆小町」は後半の、現在と過去を老婆と詩人が交互に行き交う複雑なシーンに見応えがあったが、高橋洋さんの演技はマキューシオの時のほうが楽しめた。